バイクって前にしか進めない。そんな過去は振り返らねぇ感が好きだ。
後ろに進みたかったら自分の足で踏ん張って少し苦労しないと下がれない。それもまたいい。
バイクってちゃんと手入れしないと動いてくれない。そんな繊細さと気まぐれさが好きだ。
私に乗りたかったらちゃんと世話をしろ。そしたらどこまでも連れて行ってやる。というツンデレ相棒感がたまらない。
29歳になって急にバイクに乗りたくなった。
きっかけは何か？とよく聞かれるのけどこれと言って「この瞬間！」というものはない。
父や元彼がバイク乗りだった…とか身近にバイクがあったわけでもない。
でも、今思えば28歳あたりから私の生活に急にバイクが登場し始めた。
金沢へ一人旅をした時、泊まったゲストハウスにバイク乗りが泊まっていて夜な夜なカッコイイバイクの話を聞くのが全然苦じゃなかったり
その旅の話を職場でしたら、実は上司たちが元バイク乗りで嬉しそうに聞いてくれたり、自分の話をしてくれたりした。
そして気がついたら仕事の休憩中に教習所に電話をかけていて、予約が取れた時は上司にアイコンタクトして無言でニヤリと親指を上げた。
私の人生はだいたい自分で切り開くというよりも、なんか向こうからちらっと顔を出してきて、「お？」と思って追いかけてみたら、気がついたら新しい世界に辿り着いていた…みたいなことの繰り返しだったと思う。
やっぱり違うわと戻ってくることも多々あったが、私はそれでも何か新しいことに挑戦することが好きだ。
「ま〜た新しい趣味はじめて〜今回はどれだけ続くかな？」と私をよく知る友人は言う。
なぜなら私は自他共に認める熱しやすく冷めやすい多趣味人間だから。ちなみにバイクの前にやり始めたテナーサックスは2年で辞めてしまった。
でもその中でも5年以上続いている映像制作や、かれこれ25年以上付き合いがあるダンスだったり、新しい挑戦の中で長い付き合いになっていく趣味や仕事もある。
バイクとは出会ってまだ1年だがこれからも長く付き合っていくのだろうか。
分からないけど、バイクに乗り始めてから今まで行けなかったところに行けるようになったし、今まで以上に休日が楽しみになった。
それに前から好きだった一人旅で、現地で過ごす時間より行き帰りの時間の方が楽しいという不思議な現象が起こっている。
多分バイクとは長い付き合いになるんじゃないかなぁ。なるといいなぁ。
1年バイクに乗って分かったことは「バイク乗り」で一括りにできないぐらい色んなタイプ、楽しみ方をするライダーがいて、車種、カテゴリーそれぞれがひとつの国や大陸みたいだなぁと思う。
多くは語らないし語れないけど、私はその全世界を先入観を持たずに見て、理解したいと思う。
その上で私は自分の楽しみ方でこのバイクと付き合っていくし、その楽しみ方を人に強要はしない。
だって、趣味だもん。第一に自分の人生を豊かにするものじゃないと！
私は私が乗りたいバイクに乗る。
それでええ。それがええ。
長々と書いたけど、言いたいことはバイクに乗る決意をして本当によかった。ということ。
どれだけ辛いこと、嫌なことがあったとしても、バイクに跨って前に進めばそんなことは置き去りにして自分も前に進める気がする。
バイクに乗っていると今まで思いつかなかったアイデアが突然降ってくることもある。
何よりバイクを通じて素敵な人たちに出会った。
ライダーとしての人生最高ッ！
